市民が暮らしやすさを実感できる松戸市へ
(市民生活編)
市民参加・まちづくり
1 市民満足度調査の実施と向上 ―市民アンケートで毎年成果を検証し、住民満足度を向上させます!
声が届くまちへ あなたのひと言を政策に生かします
●現状
松戸市では、市民アンケートが実施されています。
でも…その結果、私たちの暮らしにどんな変化があったのか、ピンとこない方も多いのではないでしょうか?
「教育どうですか?」「子育てどうですか?」と聞かれるけれど、答えたあとは音沙汰なし…。
自分の声がまちを動かした!と思える瞬間が、なかなか見えません。
●課題
これからの松戸に必要なのは、「声を届ける」から一歩進んだ、「声が届いたって実感できるまち」です。
市民の意見を集めるだけではもったいない。集まった声を「見える形」にして、「ちゃんと動いた」ことまで伝えれば、市民のやる気もどんどん広がっていきます。
プラン
① アンケートは「聞いて終わり」じゃない。ちゃんと動くまちにします。
- 定期的に、まちの声を聴きます
- みんなの声は、地図とグラフで見える化します
② 声を「来年のまちづくり」にしっかり反映します。
- 「困ってる」が多かった分野は、来年すぐにテコ入れ
- 「何をやったか」「なぜやったか」をしっかり伝えます
●他市事例
流山市では毎年、市民アンケートを行い、その声をもとに子育て支援やまちの整備を進めています。
「共働きで送り迎えが大変」という声をきっかけに、駅前に保育ステーションが誕生。声がちゃんとカタチになっています。
「市のことを信頼している」と答えた市民の割合は、平成21年:46.5% → 令和4年:80.6%になりました。
2 市民提案予算の導入―市民が主役のまちづくりへ!
●現状
松戸市では、施策づくりの主導権を行政が握る構図が続いており、
市民が「自分のアイデアを公式に提案し、事業化まで伴走できる」制度が存在しません。
そのため、地域イベントの工夫や公園の活用アイデアなど、
暮らしの中から生まれる小さな気づきが政策に届かないまま埋もれています。
●課題
行政メニューの枠外にある課題や創意工夫が政策形成に反映されにくい結果、
市民はまちづくりの当事者としての手応えを得にくくなっています。
地域ごとに異なるニーズを的確にくみ取る仕組みが欠けていることが、市民参加の停滞と行政への関心低下を招いています。
プラン
①市民提案型予算の創設
- 令和8年度にモデル枠3,000万円を設定します(防災・子育て・地域活性など分野別に最大300万円×10件)。
② かんたん応募&公開プロセス
- 300文字とイメージ画像をオンラインで投稿できる仕組みを整え、提出されたアイデアは特設サイトで公開します。
- 市民のコメントや「いいね」でブラッシュアップし、市が実現可能性を確認したうえで、市民投票(ネット+窓口)に付します。
③採択案を翌年度事業化
- 投票結果を踏まえて優先順位を決め、採択案ごとに市職員と提案者が合同チームを結成します。進捗は四半期ごとに動画やSNSで報告し、完成後はお披露目イベントを行います。
●他市事例
杉並区では、令和5年度から「区民参加型予算」を試行。
令和6年度モデルでは83件の提案が集まり、区が10事業に整理し、
市民投票を経て令和7年度当初予算に反映予定で投票はネット・郵送併用です。投票テーマ:防災・減災】
3 常設型住民投票条例の制定
本郷谷市長『55のマニフェスト』で未達成のもの
(※現状及び課題等は現在も継続して変わらないため、詳細は省略)
4 気軽に参加できるタウンミーティングの定期開催 ― 対話の場を制度に
●現状
いまの松戸では、市長と市民がじっくり語り合えるのは選挙前のイベントか単発の広報企画くらいです。
せっかく意見を伝えようとしても、タイミングが合わずにスルッと流れてしまう–そんなすき間が残ったままです。
●課題
政策の下書き段階で現場の声を吸い上げる仕組みがないため、
「決まったあとに説明を受けるだけ」という一方通行が常態化しています。結果として、
市民は「もう決まっちゃったの?」と置いてけぼり感を抱き、行政も潜在的なニーズを取りこぼしています。
プラン
① 市内を6ブロックに分け、季節ごとに開催!
- 春・夏・秋・冬で 年4回、市長&幹部職員が各ブロックをキャラバンします。テーマは防災、子育て、まちのにぎわいなど、地域のホットトピックです。
② 参加方法は「手ぶらでふらっと」。
- 会場は公民館・学校・ショッピングモールの空きスペースなどです。予約不要・入退室自由で、マイクを回しながらラジオ番組のように気軽にトークしましょう。
③ 発言はすべて見える化。
- 懇談会の様子はライブ配信+アーカイブ動画で公開します。発言や回答を「3行サマリー」にして市公式サイトにアップします。
④ 次のアクションを必ず示す!
- 各会のラスト5分で「聞いた→こう動く」を宣言します。進捗は四半期ごとにダッシュボードで追跡し、やりっぱなしにしません。
●他市事例
鴨川市では、すべての行政区を対象に毎年市民懇談会を巡回開催しており、
対話の蓄積が道路整備や子育て支援など具体策に結びついています。松戸でも 「聞く→動く→また聞く」 の
ループを制度に組み込み、市民と行政が同じテーブルで未来を描く文化を育てましょう。
5 公契約条例の制定―働く人とサービスの質を守る
本郷谷市長『55のマニフェスト』で未達成のもの
(※現状及び課題等は現在も継続して変わらないため、詳細は省略)
5 主要な審議会に当事者委員を配置―当事者が政策を動かすまちへ
●現状
松戸市の主要な審議会・協議会は、学識経験者や関係団体の代表が中心で、決議に直接参加できる本人枠は設けられていません。
●課題
本人の視点が政策決定に反映されにくく、施策が実行段階で当事者のニーズとずれる。平日昼開催や手話・字幕の不足など参加ハードルも高いまま放置されています。
プラン
① 条例を改正し、必置枠を新設します。
- 18歳未満の子ども委員2名と障がい当事者委員2名を配置し、いずれも議決権を付与します。
② 参加ハードルを下げる環境を整備します。
- オンライン出席(Zoom/Teams)を常設します。
- 手話通訳とリアルタイム字幕を市が手配します。
- 介助者・支援者の同席を認め、交通費を公費で負担します。
③ わかりやすい情報発信を行います。
- 会議資料と議事録を「やさしい日本語」版でも公開します。
- 決定事項を中高生でも読める1枚サマリーにしてSNSで配信します。
●他市事例
三重県では県障害者自立支援協議会「人材育成検討部会」に当事者団体
(例:UD夢ネット亀山・NPO法人ピアサポートみえ等)の代表が委員として参加しています。
世田谷区では新設公園(二子玉川公園)や拡張整備(上用賀公園)で、子どもを含む区民ワークショップを重ね、
提案が設計に反映され実現。作業ワークショップには小学生以下119名が参加しています。
子ども・教育支援
1 子どものインフルエンザワクチン接種への助成を拡充
●現状
松戸市では、インフルエンザ予防接種に対する子ども向けの公的助成制度が設けられておらず、すべて自己負担となっています。
●課題
接種費用の負担がネックとなり、家計に余裕のない家庭では予防接種を見送るケースもあります。
特に保育園児や受験生など、感染リスクの高い時期に接種機会を逃すと、家庭内や学校内での感染拡大にもつながりかねません。
プラン
- まずは3歳未満の乳幼児と中学受験・高校受験を控える小中学生を対象に、予防接種費用の一部(1回あたり2,000円)を助成する制度を試行導入します。感染症の流行時期に先んじた周知と、医療機関との連携体制もあわせて整備します。
●他市事例
東京都中野区では、生後6か月から小学6年生までの子どもに対し、インフルエンザ予防接種費用を1回あたり2,000円、
年2回まで助成しています。家計支援と感染症対策の両立を図る先行例として参考になります。
2 見えない学費を減らすーリユース促進と学用品費補助
●現状
松戸市では、就学援助制度を通じて経済的に困難な家庭への支援は行われていますが、
一般的な子育て世帯の学用品費負担に対する直接的な支援制度は存在していません。ランドセル、算数セット、鍵盤ハーモニカ、中学校制服、体操服、指定カバン、部活動用品といった学用品は、
一つひとつの単価はさまざまでも、積み重なると年間で最大5万円近い負担が発生します。物価高騰が続くなか、こうした「見えない教育費」が家計を圧迫している現状があります。
●課題
学用品費は家庭によって大きな負担となっているにもかかわらず、生活保護や就学援助に該当しない世帯には支援の手が届かず、いわゆる「一般層」の子育て負担軽減策が手薄な状態です。また、購入が必要とされる品目が学校ごとに異なり、価格の高止まりやリユースの機会が生かされていない点も課題となっています。
さらに、中学校入学時には制服・指定カバン・体操服・部活用品など一括でそろえる必要があり、負担のピークが一時期に集中することで、家計への影響がより深刻になっています。
プラン
松戸市では、学用品費の家計負担を少しでも軽減するために、リユースの促進と費用補助を両輪で進める新たな支援策を導入します。
① リユースの仕組みを整備
- ランドセル、算数セット、ピアニカ、中学校制服、体操服、指定カバン、部活動着などのリユースを推進します。
- 学校や公共施設に「まつど学用品リユースバンク」を設置します。
- 専用サイト・アプリを活用し、必要とする家庭が簡単に受け取れる仕組みを整備します。
② 学用品費への直接補助
- 小学生には年間5,000円、中学生には年間9,000円の補助を実施します。
- 所得制限なしで、広く子育て世帯を対象に支援します。
- 中学校入学時(制服や部活動用品の購入時)に重点的な補助も検討します。
③ 学用品の価格見直し制度の導入
- 制服、体操服、指定カバン、部活動着の価格を定期的に見直す仕組みを制度化します。
- 生徒や保護者から意見を募集し、過剰な指定を見直し、適正価格化を促進します。
- 地元業者との連携も推進し、健全な競争を促します。
●他市事例
学用品費負担軽減策は、全国各地で広がり始めています。
たとえば、千葉県ではジモティーと連携して「#ちばリユーススクール」プロジェクトを立ち上げ、
家庭で不要になったランドセルや算数セットをリユースする取り組みを進めています。
市川市では「いちかわ制服バンク」を通じて、制服の無償リユース支援を展開し、経済的負担を減らしています。
また、東京都中野区では、物価高騰に対応するために、小学生一人あたり5,000円、中学生一人あたり9,000円の学用品費一部補助を実施しました。
所得制限を設けず、広く子育て世帯を対象にした支援策は、全国的にも注目を集めています。
松戸市もこれら先進事例を踏まえ、リユースと補助を組み合わせることで、「隠れた教育費負担」を確実に軽減し、
すべての子どもたちが安心して学びに専念できる環境を整備していきます。
3 インクルーシブ教育の充実―支援員を各校1名配置
●現状
特別支援学級の増設は進む一方、学校内での理解や合理的配慮は格差が大きく、教員研修の時間も不足しています。
●課題
発達特性や障がいのある子が普通教室で学びにくく、登校しづらくなるケースが増加しています。また支援が属人的で、保護者や教員の負担感が高いままです。
プラン
特別支援教育支援員を各校に1名配置します。
- 支援員は学習・生活面のサポートに専念し、担任と連携して合理的配慮を学校内に落とし込みます。
●他市事例
枚方市では、全小中学校に「枚方版支援教室(通級)」を設置し、特別支援教育支援員を配置し、ICTを利用した学習支援で通常学級の合理的配慮を強化しています。
4 こども基本条例を制定―子どもの声をまちの原動力に――独立した「こどもオンブズ」と基本条例をつくります
●現状
いじめ、体罰、家庭の悩み……つらいことが起きても、松戸には子ども自身が安心して「助けて」と言える第三者窓口がありません。市独自の〈こども基本条例〉も未制定のままで、子どもの権利を守る“土台”が空白になっています。
●課題
学校や家庭の内部だけで問題を抱え込むと、子どもは声を上げづらく、大人側も「どこに相談すればいい?」と迷いがちです。結果、被害が深刻化してから行政が動く――そんな悪循環が繰り返されています。「声を届ける権利」と「受け止める仕組み」を同時に整えることが急務です。
プラン
① 松戸市こども基本条例を制定
- 子どもの4つの権利(生存・発達・保護・参加)を明文化し、市のあらゆる施策に子ども視点チェック義務づけます。
② 独立機関「こどもオンブズパーソン」を設置
- 市から完全に独立した第三者が、いじめ・虐待・学校トラブルを無料で相談・調査。電話・LINE・対面の3ルートで、子ども本人も保護者も直接アクセスできます。
③ 子ども向け“わかりやすい版”を配布
- 条例とオンブズの仕組みを漫画+やさしい日本語でまとめ、小中学校・図書館・子ども食堂に配布します。
④ 年次報告+アクション宣言
- オンブズが毎年「相談件数・解決事例・改善提言」を公表し、市は“次に何をするか”をセットで発表。やりっぱなしゼロを徹底します。
●他市事例
奈良市 は平成27年施行の〈子どもにやさしいまちづくり条例〉で子どもの権利を宣言し、子ども向けのカラー冊子も全校配布しています。
千葉市 は2025年4月に〈こども・若者基本条例〉を施行。制定プロセスでは「こども基本条例検討委員会」を設置し、子どもの意見を審議会レベルで反映させました。
5 医療的ケア児の支援体制の強化
●現状
松戸市では「医療的ケア児の支援のための連携推進会議」を設置し、関係機関の連携を図っています。また、千葉県の医療的ケア児等支援センター「ぽらりす」とも連携し、相談支援や情報提供を行っています。しかし、医療的ケア児の受け入れに対応した保育施設は限られており、地域のなかで安心して預けられる場所が足りていません。
●課題
医療的ケアが必要な子どもや若者のご家庭では、「日中安心して預けられる場が見つからない」「制度が複雑で相談先がわかりにくい」といった声が少なくありません。また、保育や通学先での受け入れ体制が整っておらず、家族の負担が過大になっている現状があります。
プラン
① 医療的ケア児等コーディネーターの配置拡充
- 現在の連携推進会議の体制に加えて、市内に常設で相談・調整を行うコーディネーターを配置し、保育・教育・福祉現場とご家庭の橋渡しを行います。
② 保育・教育施設の受け入れ整備の推進
- 医療的ケア児の受け入れに対応できる保育施設を増やすため、市独自の補助制度を創設し、施設整備や職員研修を支援します。
③ 情報提供と啓発の強化
- 制度のわかりにくさを解消するため、医療的ケア児支援ガイドブックの作成や、家族向け説明会、LINEやHPでの相談受付体制を整備します。
●他市事例
神戸市では、医療的ケア児等コーディネーターを配置し、複数の保育施設で医療的ケア児の受け入れを行っています。
また、「医療的ケア児支援施策検討会議」を設置し、行政・医療・福祉の連携強化に取り組んでいます。松戸市においても、
神戸市のように包括的な支援体制を整備することで、ご家庭の負担軽減と地域の受け入れ力の底上げを目指します。
6 不登校支援の充実―サテライト型拠点の設置と地域密着支援へ
●現状
松戸市では、教育支援センターが1か所のみ設置されており、利用者の増加により待機が発生し、遠方から通う子どもにとっては移動の負担も大きくなっています。
●課題
不登校の子どもが通える居場所が限られているため、支援につながらずに家庭内で孤立してしまうケースが少なくありません。支援へのアクセスの地域格差と、多様なニーズに応じた受け皿の不足が課題です。
プラン
- 市内に1~2か所、小規模なサテライト型の教育支援拠点をモデル的に開設し、通所が難しい子どもに向けた巡回支援も段階的に導入します。また、支援員による常駐体制や、ICTを活用した相談環境の整備を進めます。
●他市事例
千葉県市川市では、既に分室型の教育支援センターを複数設けており、地域ごとのアクセス改善に取り組んでいます。千葉県も市町村に対して教育支援センターの整備を推奨しており、補助制度の活用も可能です。松戸市も今こそ、地域に根ざした支援体制の構築を進めるべきです。
7 実効性のある小中学校の校舎改修計画
●現状
松戸市では「学校施設長寿命化・再整備計画」が策定されていますが、その中身はまだ市民にとってわかりやすいものとは言えません。子どもたちが毎日を過ごす学校が、見えない計画で「いつ良くなるのか分からない」――そんな声が現場にはあります。
●課題
学校の整備は「建物の修理」だけではありません。
いま本当に必要なのは、子どもたちの学びと安全、そして地域の安心を支える視点です。
- 老朽化の状態を放置しておけば、後になって大きな修繕費がかかります。
- 計画があっても、その優先順位や内容が見えなければ、市民は納得できません。
- 子どもや教職員、保護者の「こうしてほしい」が反映されない整備は、使いづらさや不満につながります。
安心・快適な学校環境をつくるには、今ある課題を先送りにせず、先を見据えた整備が必要です。
プラン
① すべての学校を対象にし、見える計画にします
- 学校ごとの建築年、規模、劣化状況を整理し、「どの学校がいつ改修対象になるのか」を市民に公開します。
- 優先順位や整備スケジュールを明示し、先が見える仕組みにしますします。
② 修繕だけでなくこれからの教育を見すえた整備へ
- バリアフリーや防災対応、ICTや多目的空間の活用など、今の時代に合った整備を盛り込みます。
- 学校を「学び」と「安心」の拠点へアップデートします
③ 現場と地域の声を反映させます
- 教職員・保護者・地域住民との対話を通じて、整備方針や設計に生の声を反映します。
- 使いやすく、地域に愛される学校をみんなでつくります。
●他市事例
印西市では、学校をただの学習の場ではなく、地域の安心と未来を支える拠点として再構築しています。防災機能の強化、バリアフリー化、感染症対策、ICT環境の整備などを一体的に進めています。子どもたちの学びだけでなく、災害時にも地域を支える「多機能な学校」が実現しつつあります。
武蔵野市では、学校整備にあたり、教職員・保護者・地域住民の声を丁寧に聞き取っています。その声をもとに、通学路の安全対策や地域で使えるスペースなど、日常の使いやすさを重視しています。「市が決める」のではなく「みんなでつくる」学校づくりが信頼を生み、地域に根付いています。
8-1 小中学校教室内・学童・保育施設への防犯カメラの導入―小中学校
●現状
松戸市では校門や昇降口に防犯カメラを配備してきた一方、教室内は未設置のままです。いじめ・暴力・教師不適切行為など日常の教室で起こるトラブルを客観的に検証できる記録が残らず、対応は当事者の証言に頼らざるを得ません。
●課題
近年発生した、教室内での「ごみ箱事件」のような事案では、状況を客観的に把握する証拠が乏しく、学校・保護者・児童の間で深刻な不信を生む要因となっています。教室という閉ざされた空間の可視化が急務です。
プラン
- 市立小中学校のうち、まずは20校を対象に録画式の教室内カメラを試行導入し、子どもたちの安心と、教職員の健全な職場環境づくりの両立を図ります。
●他市事例
熊本市教育行政審議会は 2024 年度、教室内カメラの導入を「児童生徒の安心と教育現場の信頼回復」の観点から検討すべきと答申し、モデル校での先行設置案が協議されています。政令市で教室内カメラを公的に検討するのは全国でも例が少なく、他自治体から注目を集めています。
8-2 小中学校教室内・学童・保育施設への防犯カメラの導入―学童・保育施設
●現状
松戸市では多くの学童や保育施設が民間委託や地域主導で運営されていますが、防犯カメラの有無や見守り体制にばらつきがあり、2025年には市内学童施設で盗撮事件も発生しました。
●課題
保護者にとって、子どもを安心して預けられる環境は生活の基盤です。しかし、施設によって安全対策の格差が大きく、「どこなら安心できるのか」が見えにくい現状が続いています。特に、防犯や入退室管理の仕組みが整っていない施設では、不安や不信が拭えません。
プラン
- 私は、大阪府のように保育施設への防犯カメラ設置費用を市が補助する制度を新設し、すべての施設で防犯対策を標準化します。また、保護者が子どもの入退室状況をリアルタイムで確認できる「ICT見守りシステム」の導入を段階的に進め、保護者と施設が安心でつながる仕組みを整備します。
●他市事例
大阪府では、保育施設に対し防犯カメラの設置費用を補助する制度を導入。自治体主導で安全対策の底上げを図り、施設ごとのばらつきを解消しています。松戸でも、こうした制度を参考に、安全で安心な預かり環境を実現します。
9 体にもおいしい給食(有機野菜・地元野菜の積極的導入)
●現状
松戸市の学校給食では、有機や特別栽培の食材の使用は一部にとどまっており、その割合や活用状況についても明示されていません。アレルギー対応や食材の安全性、栄養価に対する保護者の関心は年々高まっており、教育現場からも「食育の質を高めたい」との声が上がっています。
●課題
現在の食材調達制度では、価格や納品体制の安定性が優先されており、有機食材の導入は限定的にとどまっています。生産者との連携や流通体制の構築がなければ、安定的な供給が難しく、栄養バランスの確保や調理現場の負担増といった課題も懸念されます。
プラン
- まずは、子どもたちが日常的に口にする主食である「米」から、有機化を段階的に進めてまいります。千葉県いすみ市の取り組みを参考に、モデル校での先行導入を経て、3年以内の全校展開を目指します。
●他市事例
千葉県いすみ市では、有機米の全量導入を実現し、全国の自治体から視察が相次ぐ注目事例となっています。地域の農業者、学校、行政が一体となって「地元でつくった安全なものを子どもに届ける」仕組みを制度化しており、松戸市においても、まずは主食から、安全と安心を子どもたちに届ける給食改革を進めてまいります。
10 学童スタッフ処遇改善―経験等に応じた正当な対価を
●現状
松戸市内学童クラブ支援員の月収は20~22万円台、非常勤比率が高く、近隣市と比べ賃金水準が1~2割低いです。
●課題
低賃金・不安定雇用が原因で人材が定着せず、子ども一人ひとりへのケアが薄くなり、保護者からは「毎年スタッフが入れ替わる」と不安の声が上がっています。
プラン
① 月額1万円の独自上乗せ補助を行います。
- 市が事業者に対し、常勤・非常勤を問わず支援員1人につき月額1万円相当を加算補助します。
② キャリアラダーと資格手当を導入します。
- 放課後児童支援員→上級支援員→専門リーダーへと段階的に資格取得を進めるほど手当を加算し、経験の蓄積を評価します。
●他市事例
こども家庭庁は「放課後児童支援員の処遇改善加算」で18:30以降も開所するクラブ等を対象に国が補助し、自治体が上乗せできる仕組みを整備しています。
千葉市では「放課後児童支援員等処遇改善事業補助金」で賃金を月額9,000円(3%相当)以上引き上げたクラブに市が補助金を交付しています。
11 子どもの安心を守る――離婚前後家庭への切れ目ない支援
●現状
松戸市では、離婚や別居を経験する家庭に対し、継続的かつ包括的な支援制度が十分に整っていません。特に、養育費の取り決め支援や親子の面会交流、離婚に伴う心理的なサポートが不足しており、当事者は制度を自力で探さなければならない状況です。
●課題
離婚は大人同士の話し合いで終わるものではなく、子どもの生活と心にも深く関わる問題です。しかし、松戸市では「どこに相談すればいいのか分からない」「支援につながりにくい」といった声が多く聞かれます。情報は分散し、法的・心理的・実務的な支援が一体的に提供されていないことが課題です。
プラン
松戸市では、以下のような多面的な支援を一体で提供する「離婚前後家庭支援パッケージ」を導入します。
① 無料法律相談・養育費確保支援
- 養育費や面会交流、公正証書作成などについて、弁護士による無料相談窓口を設置します。必要に応じて支援員が手続き同行も行い、履行確保まで一貫して支援します。
② LINEによる情報提供と相談受付
- 離婚やひとり親家庭向けの情報を、市のLINE公式アカウントから配信します。制度や手当、相談先などを一覧で案内し、利用者が必要な支援にすぐアクセスできる仕組みを整備します。
●他市事例
千葉市:養育費や親権に関する無料の法律相談を定期開催し、相談から履行確保まで一貫したサポートを提供しています。
船橋市:LINE公式アカウントを通じ、ひとり親世帯向けの支援制度をわかりやすく案内し、子育て支援員による個別対応も実施しています。
12 保育環境の質を向上―ガイドラインの改定
●現状
松戸市では平成29年に「保育所保育 質のガイドライン」を策定し、一定の基準を設けて保育の質向上に取り組んできました。
しかし、近年の子育てニーズや保育現場の状況は変化しており、現在のガイドラインでは十分に対応しきれていない面もあります。
●課題
保育園によって保育の進め方や子どもとの関わり方に差があり、保護者の中には「安心して預けられるか不安」
と感じる方もいらっしゃいます。特に、子どもの発達段階に応じたきめ細かな対応や、保育士の研修・育成体制の強化が求められています。
プラン
- 市としてガイドラインを見直し、最新の保育方針や現場の声を反映した形で改定を行います。 たとえば、「子ども一人ひとりの気持ちを大切にする保育」「多様な家庭への配慮」など、 保護者が安心できる具体的な内容を明記し、すべての園に共通の指針として定着させていきます。
●他市事例
世田谷区では、2024年に「保育の質ガイドライン」を改定し、
子どもの権利やウェルビーイング(心身の充実)を重視する内容を盛り込みました。
現場の保育士や保護者の意見を反映させる仕組みも設けており、保育の質と信頼の向上につなげています。
松戸市でも、子育て世代がより安心して暮らせる環境づくりを進めてまいります。
高齢者・福祉
1 帯状疱疹ワクチン接種補助額の増額
●現状
松戸市では、50歳以上の市民を対象に、帯状疱疹ワクチン接種費用の一部を助成していますが、助成額が他市と比較して低い状況です。
●課題
帯状疱疹は高齢者に多く見られ、重症化すると日常生活に支障をきたすことがあります。助成額が低いため、接種をためらう市民も少なくありません。
プラン
- 助成額を増額し、より多くの市民が帯状疱疹ワクチンを接種しやすい環境を整えます。具体的な助成額や対象年齢の拡大については、他市の事例を参考に検討します。
●他市事例
千葉県内の一部自治体では、帯状疱疹ワクチン接種に対する助成額を松戸市よりも高く設定しており、接種率の向上に寄与しています。
2 肺炎球菌ワクチン接種補助の再整備
●現状
日本では肺炎が死因の上位にあり、特に高齢者にとっては重篤化のリスクが高い疾患です。国の制度では、肺炎球菌ワクチンは65歳時の1回接種に限られており、66歳以上の方は制度の対象外となっています。
●課題
ワクチンの効果は5年程度とされており、単回接種では継続的な予防効果が期待できません。また、従来型のワクチンが多く用いられていますが、実際には新型ワクチンの方が予防効果が高いとされています。にもかかわらず、新型の接種率が極めて低く、市民に情報が十分届いていないのが現状です。
プラン
- 国制度の対象外となる66歳以上の市民に対して肺炎球菌ワクチン再接種の費用助成を行います。接種間隔は5年を目安とし、従来型、新型のいずれにも対応します。さらに、制度を活用してもらうために市報やLINE、医療機関との連携を通じて、新旧ワクチンの違いや接種の必要性について丁寧に周知を図ります。
●他市事例
東京都大田区や川崎市では、任意接種の再接種に対する助成制度を展開し、複数回接種を前提とした仕組みづくりが進んでいます。松戸市でも同様の先進事例を参考に、高齢者の健康寿命の延伸と医療費抑制を両立する政策を目指します。
3 施設の待機を減らす、情報の見える化
●現状
松戸市では、高齢者や障がい者の方の施設入所待機が続いている一方で、施設によっては短期間の空床がそのまま埋まらずに放置されているケースもあります。空床情報の収集・共有が十分に仕組み化されておらず、地域包括支援センターや相談支援専門員による入所調整に時間がかかっているのが実情です。
●課題
現場の支援者は、空床の有無を電話で確認せざるを得ない状況にあり、タイムリーなマッチングが困難となっています。その結果、本来利用できるはずの施設が活用されないこともあります。また、情報が特定の職員に依存する属人的な管理となっており、緊急時の対応にも限界が生じています。
プラン
- 松戸市では、独自に市内の高齢者・障がい者施設の空床情報を定期的に集約し、地域包括支援センターや障がい者相談支援事業所とリアルタイムで共有できる「施設情報システム」の構築を目指します。このシステムにより、入所調整のスピードを高めるとともに、緊急の支援ニーズにも迅速に対応できる体制を整備していきます。
●他市事例
新潟県長岡市では、地域密着型サービスを中心とする介護施設の空床情報を市のホームページで定期的に公開し、地域包括支援センターや利用希望者が施設の利用状況を把握しやすい仕組みを構築しています。これにより、限られた施設資源をより効果的に活用する取り組みが進められています。松戸市においても、まずは既存施設の空き状況を「見える化」することで、迅速かつ的確な入所調整につなげてまいります。
4 介護休暇促進――「親の介護で仕事を辞めない松戸」へ
●現状
介護休暇は法律で整備されていますが、市内の中小企業では取得率が低く、市の広報での周知も年1回程度にとどまっています。
●課題
制度を「知ってはいるが使えない」状況が続き、代替要員の確保やコスト負担を理由に申請を諦めるケースが多発しています。その結果、働き盛り世代の介護離職リスクが高まり、人手不足と世帯収入の減少を同時に招いています。
プラン
① 奨励金は「国補助との併用型」で実行します。
- 介護休業を5日以上取得した従業員1人につき、国の「両立支援等助成金」を企業が申請していただきます。
- 市は、その受給額のうち企業負担が残る部分を上限3万円/人まで補填し、独自コストを抑えつつ実効性を高めます。
② 「介護離職ゼロ宣言企業」を認定します。
- 奨励金の利用実績や社内制度を点検し、離職防止に積極的な企業を市が認定します。
- 認定企業は市の入札参加資格で加点し、企業イメージ向上と経営メリットを両立させます。
③ DX活用セミナーで柔軟な働き方を後押しします。
- 在宅勤務用ツールの導入、オンライン会議の定着、シフト管理アプリの活用などを学べる無料セミナーを開催し、中小企業の実務担当者をサポートします。
●他市事例
愛知県では「ファミリー・フレンドリー企業登録制度」で仕事と介護・育児の両立に積極的な企業を認定・表彰しています。
5 AI見守りで、障害者・高齢者施設の安全対策を強化する
●現状
松戸市内の障害者支援施設や高齢者施設では、見守り体制や事故対応の方法が施設ごとに異なり、人的負担が大きく、特に夜間の対応に課題を抱えている施設も多い状況です。
●課題
利用者や家族にとって、施設の安全性は入所先を選ぶうえで最も重要な判断材料です。しかし現状では、ICTや見守り機器の整備状況にばらつきがあり、ハード面での安心感を担保できていない施設も少なくありません。
プラン
- 松戸市では、AI対応の見守りカメラや転倒センサーなど、施設の実情に応じたICT機器の導入に対する補助制度を新設します。これにより、職員の負担軽減と事故の未然防止を同時に図り、ハード面の安全水準を引き上げます。
●他市事例
新潟県長岡市では、介護現場の人手不足や業務負担の軽減を目的に、「見守りセンサー付き介護ベッド」などの介護ロボットやICT機器の導入を推進しています。これらの取り組みは、職員の負担軽減とサービスの質の向上を図るものとして、県と連携しながら進められています。
6 高齢者・障害者施設の待機者数改善に向けた施設整備の推進
●現状
松戸市では、高齢者人口の増加により、特別養護老人ホームや障害者支援施設の入所待機が常態化しています。特に、地域密着型の小規模施設が不足しており、在宅介護が限界に達する世帯にとって代替手段が乏しいのが現状です。
●課題
「住み慣れた地域で暮らし続けたい」というニーズが高まる一方で、その実現を支える施設整備が場当たり的で、中長期的な整備計画が弱い状態です。供給とニーズの地域間ギャップが埋まらず、地域包括ケアの実現に支障をきたしています。
プラン
- 市全体の高齢者・障害者人口の将来推計に基づき、軽費老人ホーム、小規模多機能型居宅介護施設、グループホームなどの施設整備を中長期的に計画します。地域別の供給ギャップを分析し、整備の優先順位を明確にしたうえで、市独自の補助制度を活用して民間事業者の参入を促進し、地域完結型の支援体制を構築します。
●他市事例
北九州市では「第2次いきいき長寿プラン」に基づき、特別養護老人ホームや小規模多機能型施設の計画的整備を実施。地域包括ケアシステムとの連携のもとで入所調整も行われ、地域内での自立支援と介護の完結を実現しています。
7 居住支援相の強化―相談対応を全問性高くより身近にします!
●現状
松戸市では、福祉まるごと相談窓口における「住まいに関する相談業務」を、現在NPO法人に委託しています。高齢者や生活困窮者など、住まいの不安を抱える方への支援が行われています。
●課題
現在の相談体制は基本的に対面が中心で、平日日中の対応が主となっているため、働く世代や若年層、子育て中の方々にとっては相談のハードルが高い状態です。また、「どこに相談していいか分からない」という声も少なくありません。
プラン
- 居住支援相談をより身近にするため、相談対応をオンラインや電話を基本としたアウトソーシング型に再編します。これにより、人件費の効率化を図りつつ、必要な人に必要な支援が届く仕組みを実現します。
●他市事例
相模原市では、居住支援業務を社会福祉士会に委託し、電話相談やアウトリーチを通じて専門性の高い相談支援を実施しており、幅広い世代がアクセスしやすい仕組みづくりが進められています。
8 松戸市版・農福連携プラン ― 地域農業と福祉が支え合うまちへ
●現状
松戸市では都市近郊型の農業が展開されていますが、高齢化や担い手不足が深刻化しており、遊休農地の増加も課題となっています。一方で、障害のある方や福祉施設利用者の就労機会は限られており、日中活動の選択肢も乏しい状況です。
●課題
農業と福祉、双方に人材・資源の課題がありながら、それを結ぶ「仕組み」が松戸市には存在していません。個別に農園と福祉施設が連携している例はあっても、市が主導する連絡会や制度整備がないため、取り組みが広がりにくい状態です。
プラン
① 「松戸市農福連携推進協議会」を設置
- 農業者団体(JA・市内農家)と福祉事業者(就労継続支援B型など)を行政がつなぐ常設の連絡会を立ち上げ、マッチングや情報共有を促進します。
② 農福連携コーディネーターを配置
- 福祉・農業の双方に理解のある中立的な調整人材を配置し、現場との橋渡しや支援プランの設計を支援します。
③ 市独自のモデル事業を実施
- 小規模農園とB型作業所などをつなぎ、農作業受託や収穫体験等を実施。年度ごとに評価し、事例を市内全域へ横展開していきます。
④ 「まつど産福連携商品」など販路支援も併せて展開
- 農福連携で生まれた農産物や加工品に市独自のブランド認定を行い、市役所やマルシェ等での販売促進を支援します。
●他市事例
三島市(静岡県)・函南町:JA・行政・福祉施設の三者で「農福連携支援連絡協議会」を設置し、共同で人材・農地マッチングを行っています。
小山市(栃木県):福祉法人と連携し、市が農地活用や人材派遣を支援し、モデル事業を市が補助金対象に指定しています。
岐阜市:JAぎふの特例子会社と連携し、市も農地や就労制度で協力し、販路支援にも関与しています。
9 障害のある方の困ったに応える相談支援体制の充実
●現状
松戸市では、障害者総合支援法および児童福祉法に基づき、特定相談支援および障害児相談支援を実施しています。 市内には複数の相談支援事業所が存在し、障害のある方やそのご家族が福祉サービスを適切に利用できるよう支援しています。また、基幹相談支援センターも設置されており、地域の相談支援体制の中核として機能しています。
●課題
一方で、相談支援専門員の人材確保や育成が課題となっており、特に専門性の高い支援が求められるケースに対応できる体制の強化が求められています。また、地域によっては相談支援事業所の偏在が見られ、利用者が適切な支援を受けるまでに時間を要する場合があります。
プラン
松戸市では、以下の取り組みにより相談支援体制の充実を図ります。
① 相談支援専門員の育成強化
- 専門研修の実施やスーパービジョン体制の整備により、相談支援専門員の専門性向上を図ります。
② 相談支援事業所の地域バランスの改善
- 地域ごとのニーズを把握し、相談支援事業所の新設や配置の見直しを検討します。
③ 基幹相談支援センターの機能強化
- 地域の相談支援事業所との連携を強化し、支援の質の向上と情報共有の促進を図ります。
●他市事例
神戸市の取り組み
神戸市では、障害者相談支援センターを設置し、相談支援体制の強化を図っています。
同センターでは、相談者の意思及び人権を尊重し、公正・中立な相談支援を行うとともに、関係機関との連携を図りながら、相談者に対して適切な情報提供や助言を行っています。また、職員の専門性向上を目的とした研修の実施や、地域自立支援協議会の事務局としての運営を通じて、地域全体の相談支援体制の充実に寄与しています。
これらの取り組みは、松戸市における相談支援体制の強化に向けた参考となるものです。
10 地域のつながりを絶やさないために――見守り活動のデジタル活用を促進
●現状
一人暮らしの高齢者や、子育てに忙しい家庭を支えてきた地域の見守り活動は、自治会や民生委員さんの献身によって支えられています。しかし担い手の高齢化や人手不足により、活動の継続が難しくなってきています。
●課題
紙の回覧板や電話連絡など、時間と労力がかかる方法が中心で、「自分たちの生活も大変で余裕がない」という声も少なくありません。住民の負担が増える一方で、新たに担ってくれる人もなかなか見つかりません。
プラン
- スマートフォンで安否確認ができるアプリや、LINEを使った地域連絡、電子回覧板など、身近なICTツールを使って、見守りの仕組みを少しずつデジタル化します。活動をラクに、でもつながりは切らさずに続けられるように整えていきます。
●他市事例
横浜市中区:「地域活動に役立つ!デジタル活用講座」を開催し、LINEやSNSを活用した情報共有、電子回覧板、自治会費集金の電子化など、地域活動のデジタル化を推進しています。
美濃加茂市:デジタル回覧板を導入し、自治会の広報や回覧文書の配布部数を削減。資料のデジタル化やWeb会議の実施により、役員の負担軽減と効率化を図っています。
板橋区:地域福祉計画において、地域の見守り活動にICTを活用する方針を掲げ、民生委員や地域団体が積極的に取り組む風土を醸成しています。
11 高齢期の不安に備える―市営住宅の見守り強化
●現状
松戸市では、今も市が直接市営住宅を管理していますが、人手不足が進み、日々の維持管理に精一杯というのが実情です。
●課題
一人暮らしの高齢者が増えるなか、「誰かがそばにいてくれる安心」がますます求められています。急な体調不良や孤立のリスクが高まっても、現行の体制では対応が追いつかない状況です。
プラン
- だからこそ私は、民間の力を活用した「指定管理者制度」の導入を提案します。民間事業者が市営住宅の管理を担うことで、定期的な安否確認や24時間の緊急対応といった、きめ細かな見守り体制が実現できます。住まいの安心が、そのまま暮らしの安心につながります。
●他市事例
柏市ではすでにこの制度を導入しており、市営住宅に住む高齢者に対して見守り訪問や緊急対応を行っています。その結果、住民満足度が高まり、家賃の収納率も向上。経費も削減され、行政も住民も双方にメリットがある制度として注目されています。
若者支援・定住促進
1 若者の「ほしい」がまちを変える――声を活かしたお店誘致で松戸にもっとワクワクを
●現状
松戸にはおいしいお店や便利なお店もたくさんありますが、10代・20代の若者からは「地元には行きたいお店が少ない」「買い物は都内まで行っている」という声も少なくありません。地元に「また来たい」「帰ってきたい」と思える魅力づくりが求められています。
●課題
若い世代のニーズが、まちの開発や出店の計画にうまく届いていません。「若者が欲しい」と思っているお店が、なかなか地元にできない――そんなすれ違いが、暮らしの中で生まれてしまっています。
プラン
- 10代・20代の声を集めるアンケートを実施し、「松戸にあったらうれしいお店ランキング」を作成。それをもとに、市が地元の商工会議所や空き店舗のオーナーと連携して、人気の高かったお店を誘致するためのサポートを行います。アンケートはスマホやSNSでも参加できるようにし、学校やまちなかにも協力を呼びかけていきます。
●他市事例
福井県鯖江市では、女子高校生のリアルな声をまちづくりに活かす「鯖江市役所JK課」というユニークな取り組みを実施。若者が提案したアイデアが、実際にカフェのオープンや地域商品の開発に結びついています。松戸でも、若者の声が“まちを変える力”になる環境をつくっていきます。
2 若者の声で“やってみたい”をカタチに! ―松戸発のアイデア実現プロジェクトー20代までの「若者政策チーム(仮)」でまちの課題に挑む企画を提案、実行!
●現状
松戸には若者の声を直接政策に活かせる場がほとんどありません。「こんな街にしたい」「こういうことをやってみたい」という思いがあっても、それを届けるしくみがないのが実情です。
●課題
若い世代の感性や発想は、松戸の未来をつくる貴重なエネルギーです。でも今は「話す場所も、聞いてもらえる場もない」と感じている人が多く、せっかくの意見やアイデアが埋もれてしまっています。
プラン
- 16~29歳を対象にした「若者政策チーム(仮称)」を市が立ち上げ、公募で集まったメンバーがまちの課題に挑む企画を提案!市はその企画に実現のための予算やスタッフでしっかりバックアップします。「やってみたい」が本当にできるまちに――そんな実感を若い世代に届けます。
●他市事例
愛知県新城市では、若者が政策提案を行う「若者議会」が条例で設置され、年間最大1,000万円の予算枠のもと、PR動画制作やイベント開催などを実現。若者の声をまちづくりに反映する先進例として全国から注目されています。
3 ワクワクが生まれるまちへ――松戸からデジタルコンテンツを育てよう!
●現状
松戸市には、イラストやアニメ、ゲーム、映像制作など、デジタルコンテンツに関心を持つ若者やクリエイターが数多くいます。しかし、そうした人たちが活動を始めるための支援制度や機材環境、学べる場はまだ十分に整備されていません。
●課題
「機材が高くて買えない」「一緒に学べる仲間がいない」「作品を発表する場所がない」――創作に挑戦したいという声は多いのに、支援や仕組みがないために、その熱意が埋もれてしまっています。せっかく松戸にいる才能が育たないのは、まちにとって大きな損失です。
プラン
① 制作環境の整備
- 市内の公共施設に、映像編集やイラスト制作ができるパソコン・ソフトをそろえた「クリエイティブラボ」を開設します。放課後や休日に自由に使えるようにし、予約制で機材や場所の確保も可能にします。
② 発表・交流の場の創出
- 若者が作ったコンテンツをオンラインで公開できる専用ポータルサイトを市が設置。地域イベントでの上映会や作品展示コーナーなど、市民とクリエイターをつなぐ場をつくります。
③ 学びの機会の提供
- 地元や首都圏のクリエイターと連携し、イラスト・動画編集・ゲーム開発などのワークショップやオンライン講座を開催。初心者からステップアップを目指す人まで、幅広く対応できる学習支援を行います。
4 家賃補助で子育て世帯の住まい支援を
●現状
松戸市では、子育て世帯向けの直接的な家賃補助制度が整備されていません。そのため、民間賃貸住宅に居住する子育て世帯にとって住居費の負担が大きく、特に若年層や転入世帯にとっては定住の障壁となっています。
●課題
住宅費の高騰や保育所不足など、子育て世帯が直面する課題が多い中にあって、家賃補助制度がないことは他市への転出や定住意欲の低下を招いています。また、空き家の活用も進んでおらず、地域資源の有効活用という観点でも課題を抱えています。
プラン
- 松戸市でも、子育て世帯の定住を促進するための家賃補助制度を導入します。具体的には、18歳未満の子どもを養育している世帯を対象に、月額家賃の2分の1(上限3万円)を最長12か月間補助する制度を創設します。これにより、子育て世帯の経済的負担を軽減し、安心して暮らせる環境を整備してまいります。
●他市事例
千葉県館山市では、市内の民間賃貸住宅を利用する転入子育て世帯に対して、月額家賃の2分の1(上限2万円)を最長12か月補助する制度を実施しています。また、南房総市では2024年度より、子育て世帯の移住・定住促進施策として、家賃補助制度を開始し、2年間にわたり家賃の半額を補助(1年目は月2万円、2年目は月1万円が上限)しています。これらの事例を参考に、松戸市においても“賃貸で子育てする選択”を支援する仕組みを構築してまいります。
5 若者が気軽に声を届けられるまちへーSNS等でつながる意見交換の場を設置
●現状
松戸市では、市民と行政の意見交換の場として懇談会などが設けられていますが、開催は平日昼間が中心で、学校や仕事で忙しい若者が参加しにくい仕組みになっています。その結果、若者の声が政策の初期段階で十分に反映されないまま、まちづくりが進んでしまうことがあります。
●課題
「まちに関わりたい」「自分たちの声も届けたい」と思っていても、その声が届くルートが見つからない――。こうした“参加のしづらさ”は、若者の地域への関心や信頼を低下させ、将来的な定住意欲にも影響します。若い世代が気軽に意見を言える機会を、もっと日常の延長に用意していく必要があります。
プラン
- 若者専用の懇談会やワークショップを定期的に設けるとともに、SNSやオンラインフォームを使った意見収集を通年で行えるようにします。たとえば、Instagramで「#松戸のこうしてほしい」と投稿すれば市に届く仕組みや、LINE公式アカウントでの匿名投票なども検討します。若者の使い慣れたツールで声を拾い、行政の側から出向く仕組みを整えていきます。
●他市事例
滋賀県守山市では、18歳~39歳を対象に「もりやま未来ミーティング」を実施し、若者世代の感性を市の施策に取り入れています。
茨城県つくば市では、オンラインを活用した市民参加を推進し、若者を中心とした新たな参加者層の拡大を図っています。
東京都では、X(旧Twitter)上でハッシュタグ「#シン東京2050」を用いて、2050年代の東京を見据えた長期戦略策定に向け、都民からの意見を募集しました。
これらの事例を組み合わせて、松戸市でも若者の声を政策に反映する仕組みを構築していきます。
6 若い世代が選ぶまちへー「松戸の魅力」を体系的に発信
●現状
松戸市は、東京都心から電車で30分圏内という絶好の立地にもかかわらず、住宅価格や家賃は東京より割安で、暮らしのコストパフォーマンスに優れています。近年、都心部の住宅価格高騰を背景に、東京都から周辺自治体への転出者は増えていますが、松戸市では「松戸に住むメリット」を体系的に発信できておらず、周辺自治体に後れを取っている状況です。
●課題
周辺では流山市や柏市などが積極的に子育て世代や若いファミリー層を誘致し、人口増・税収増につなげています。松戸がこの波を逃せば、潜在的な転入需要を取りこぼし、将来の市税収入や活力に大きな影響が及びかねません。
プラン
① 「松戸でちょうどいい暮らし」プロジェクト
- 民間の不動産サイトと連携し、「東京23区→松戸住み替え」特設サイトを開設します。
- 「同じ予算で、東京23区では1LDK→松戸なら庭付き一戸建て」など、暮らしの豊かさをビジュアルで訴求します。
② 子育て応援パッケージの強化
- 家賃補助制度(家賃補助支援策参照)を新設し、転入を後押しします。
- さらに、保育園・学校の教育環境を魅力発信し、「子育てしやすい松戸」をブランディングします。
③ イベントの開催
- 東京駅・秋葉原駅などで松戸暮らしPRイベントを実施します。
④ リモートワーク拠点の整備
- コワーキングスペースやサテライトオフィスを積極整備します。
●他市事例
流山市では「母になるなら、流山。」というキャッチコピーで若い世代に大ヒットし、人口が急増しています。
柏市では子育て・教育・都市開発を一体化し、松戸同様に東京通勤圏を強みに定住者を拡大しています。
市民が安全と魅力を感じる街
1 防犯・防災対策の強化
夜道をもっと安全に―災害にも強いスマート街路灯の導入を進めます
●現状
松戸市内の商店街や通学路、駅周辺では、街路灯の老朽化や明るさ不足などの課題が一部で見られます。
また、災害時には停電で街が真っ暗になることもあり、市民の皆さんからは「夜道が不安」「災害時の情報提供が心配」といった声が寄せられています。
●課題
現在の街路灯は、主に照明の役割にとどまっており、防犯や災害時の案内など多様な役割には対応できていません。
停電時に灯りが使えない場所もあり、災害時の避難誘導や情報提供に不安が残っています。また、通行人の流れや利用状況の把握が難しく、安全対策に活かしづらいのが現状です。
プラン
① スマート街路灯を活用して、防犯・防災機能の向上を図ります
- 人感センサーや防犯カメラ、スピーカー、蓄電池などを備えたスマート街路灯を段階的に導入します。
- 夜間の照明調整や災害時の避難情報の発信、停電時でも稼働できる体制を整えることで、安心できるまちづくりにつなげます。
② 人流データを、地域の安全と活性化に役立てます
- センサーやカメラにより、通行量や滞留時間などを把握し、防犯対策に活かします。
- 市民の活動が「見える化」されることで、より効果的で的確な対応が可能になります。
●他市事例
東京都港区の六本木商店街振興組合では、スマート街路灯を導入し、通行人の流れや人流データをリアルタイムで把握しています。
防犯や避難情報の発信に役立てられているほか、商店街ではそのデータをもとにクーポン配信や販促にも取り組んでおり、安心とにぎわいを両立させる先進的な取り組みとして注目されています。
2 避難計画・訓練の充実
●現状
松戸の避難訓練は起震車や机の下潜りなど従来型が中心で、地震・火災・水害を疑似体験できるVR教材は未導入です。そのため若年層ほど「実感がわかない」「毎年同じで飽きる」と参加意欲が伸び悩んでいます。
●課題
江戸川・坂川氾濫など松戸特有のリスクを肌で感じる機会がなく、避難行動の具体イメージが定着しにくい点が最大の弱点です。天候や規模に左右されない、臨場感のある訓練手法が求められています。
プラン
- 防災のVRコンテンツを、地元IT企業や大学と協力して松戸の街並みを再現しながら制作します。完成したコンテンツは、買い物やイベントの合間に五感で避難体験ができるよう、松戸の商業施設や市民会館に期間限定でVR防災ブースを開設して活用します。イベント終了後は、このVRキットを学校へ巡回させ、防災授業と組み合わせて使用し、「ゲーム感覚で学べる防災」として子どもたちの興味を引き付け、防災のポイントを自然に身につけてもらいます。
●他市事例
渋谷区は商業施設を舞台にVRによる渋谷の街を舞台にしたバーチャル避難訓練体験を開催し、ヘッドセットで〈地震→火災→一次避難〉を疑似体験させています。
3 渋滞ゼロのまちへ――暮らしを変えるスマート交通改革
●現状
松戸市では、学識経験者、国、県、警察、そして市が連携する「松戸市交通ビッグデータ見える化協議会」を設置し、市内全域の交通流動データの収集・分析を進めています。
●課題
渋滞や通学路の危険箇所は市民の生活に密接に関わるにもかかわらず、収集されたビッグデータの分析結果が十分に市民や現場の施策に活かされているとは言いがたい状況です。また、課題の見える化にとどまり、改善の優先順位づけやフィードバックループが構築されていないことも課題です。
プラン
松戸市は、データに基づく実行フェーズに踏み出します。
① 交通データに基づく優先整備マップの作成
- 通勤・通学時間帯の渋滞傾向、事故頻度、歩行者流動などをAIで分析し、「優先整備すべき交差点・道路・通学路マップ」を毎年度作成。信号制御の見直し、横断歩道・歩道幅員改善などに予算を重点配分します。
② 動的交通データと連動したリアルタイム情報提供
- 協議会のデータを基に、市民向けにスマホやナビアプリで「混雑回避ルート」「事故発生情報」「通学時間の安全予測」などの提供を試行。配送業者とも連携し、ルート分散による混雑緩和を促進します。
③ 学校・地域単位での生活者目線の課題吸い上げ
- 地域ワークショップを開催し、実際に危険・不便と感じる箇所を市民がマップ上で指摘できる「参加型可視化システム」を導入。専門家による分析と市民の実感をすり合わせ、整備の納得度と実効性を高めます。
●他市事例
東京都では、時空間AI「QTNN」を活用し、都内1098箇所の道路における1時間先の渋滞長を平均誤差40メートル以下で予測する実験に成功しました。
川崎市ではナビアプリ企業と連携し、生活道路の混雑や危険箇所をデータ分析し、ドライバーにルート誘導を行うと同時に、物理的整備にも反映しています。
鳥取県では鳥取砂丘の観光シーズンに合わせて人流データと道路混雑情報をリアルタイムに連携し、観光地周辺の渋滞を抑制しています。
4 持続可能な環境配慮都市へ――暮らしと調和したまちづくりを進めます
●現状
松戸市では、住宅開発や交通量の増加に伴い、緑地や自然環境が失われつつあります。市民一人ひとりの暮らしと地域の環境保全を両立させる視点が、いま求められています。
●課題
ごみ削減、省エネ、自然との共生といった取り組みが個別には存在するものの、市全体としての一貫したビジョンや連携が不十分です。生活の中で環境への意識が高まりにくい状況です。
プラン
- 松戸でも「環境・経済・社会」が調和する持続可能な都市像を描き、都市開発やまちづくりの計画において、自然環境の保全・再生可能エネルギーの導入・地域循環型経済などの視点を統合していきます。
●他市事例
横浜市では、港湾・観光・工業といった多様な都市機能を活かし、「環境・経済・社会」の3側面における価値創出を掲げた開発を進めています。先導的なモデル都市として、持続可能な都市の姿を示しています。
5 図書館の充実は必須!―情報と交流の拠点に
●現状
松戸市では、図書館における司書の配置が十分とは言えず、利用者が専門的な支援を受けにくい状況があります。また、図書館の役割が多様化する中で、地域住民が気軽に集える「居場所」としての機能も求められています。
●課題
松戸市は専門職として司書資格所有者を採用しておらず、専門的な知識を持つ司書が不足しているため、利用者が必要とする情報へのアクセスが制限されることがあります。また、図書館が地域の交流拠点としての役割を果たすためには、より充実したサービス提供が求められています。
プラン
- 図書館法に基づき、司書資格を持つ職員の配置を推進します。また、図書館を地域住民が集える「居場所」として機能させるため、施設の改善やプログラムの充実を図ります。
●他市事例
浦安市では司書資格所有者を専門職として採用し、図書館業務に配属しています。
6 スポーツ振興―運動施設を充実します!
●現状
松戸市は、江戸川の河川敷や運動公園、総合体育館など、都市部にしては豊富なスポーツ施設を備えています。しかし、それらを「市外から人を呼び込む観光資源」として活用する視点はまだ十分とは言えません。
●課題
施設が点在し、スポーツイベントと地域経済(商店街、飲食店、宿泊)との連携が弱いため、観光としての訴求力が不足しています。また、若年層やファミリー層を惹きつける「体験型スポーツ」の魅力づけが不足しています。
プラン
① スポーツ大会・合宿の受け入れ環境整備
- 松戸市内の運動公園や学校体育施設の環境を整備し、スポーツ合宿や大会の受け入れ体制を強化してまいります。競技団体のニーズに対応した改修を進めるとともに、市外から訪れるチーム向けに、地元の宿泊施設・飲食店・商業施設と連携した松戸スポーツ合宿パッケージ」開発を行います。また、合宿誘致を促進するため、一定の補助制度の創設も検討いたします。
② アーバンスポーツ拠点の整備とイベント開催
- 駅前の公共空間や公園などを活用し、スケートボードやBMX、3×3バスケットボールといった都市型スポーツの拠点づくりを進めてまいります。あわせて、若者が気軽に参加できるアーバンスポーツイベントを年1回開催し、スポーツ・音楽・飲食が融合した新しいにぎわいを創出します。商店街や地域団体とも連携し、まち全体で盛り上げていきます。
●他市事例
千葉県流山市では、総合運動公園整備・運営事業をPFI方式で実施し、陸上競技場やフットサルコートなどを整備。スポーツ合宿や大会の誘致を成功させ、地域経済の活性化につなげています。
神奈川県横浜市では、象の鼻パークなどの公共空間を活用し、スケートボードやBMX、3×3バスケといったアーバンスポーツのイベントを定期的に開催しています。若者世代を中心としたにぎわいを創出し、都市の魅力向上にも貢献しています。
7 次世代型スポーツ施設を充実します!
●現状
松戸には、運動公園や市営体育館などの施設が点在していますが、「古くて使いづらい」「予約が取りにくい」といった声も多く聞かれます。特に子どもや若者、働く世代が「気軽に運動できる場所がもっとあればいいのに」と感じる機会は少なくありません。
●課題
市の予算だけでスポーツ施設を新しく整備するのは時間もコストもかかります。一方で、天候を気にせず使える屋内アリーナや、多世代が一緒に楽しめる広場など、時代に合ったニーズは増え続けています。
プラン
私は、これからの松戸には「運動がもっと身近で楽しくなる場所」が必要だと考えています。たとえば――
- 雨の日でも遊べる全天候型の屋内スポーツ広場
- 保育付きでパパ・ママも通えるフィットネスジムやヨガスタジオ
- スマホで予約してキャッシュレスで使える次世代型スポーツ施設
こうした施設を、民間・官民連携(PPP/PFI)等で整備することで、市の負担を抑えながら今すぐ欲しい空間をスピーディに実現します。
●他市事例
流山市では、PFI手法を用いて、総合運動公園をスポーツ・アウトドア・食が融合した空間に再構築中です。テニスコートの人工芝化や、イベント対応型の広場、アウトドアフィールド、そして飲食店併設など、家族連れでも楽しめる日常使いできる公園としての整備が進んでいます。
このプロジェクトは市民サービスの向上と、持続可能な施設運営を両立する先進例として注目されています。
佐賀市では、廃校となった小学校をリノベーションし、スポーツ合宿施設「SAGA FURUYU CAMP」として再生しました。このプロジェクトでは、設計と運営を民間に委ねる「リレー型DO方式」が採用され、地元企業や設計事務所がチームを組んで事業を推進しました。行政が改修費を負担し、民間が賃料を支払うスキームにより、地域資源を活用した新たな交流拠点が誕生しました。
8 松戸版スポーツコミッションの創設
●現状
松戸市は陸上競技や野球、サッカーなど多くのスポーツが盛んな地域です。しかし、それぞれの活動はバラバラに行われており、地域としてスポーツを活かした発信力や観光・経済効果は十分に発揮されていません。
●課題
スポーツイベントの開催や合宿の誘致、子どもから高齢者まで楽しめる環境づくりには、地域のさまざまな団体や施設、行政の連携が欠かせません。ところが現状では、情報やノウハウが分散しており、松戸としての戦略的な動きができていないのが実情です。
プラン
「スポーツコミッション」とは、自治体・スポーツ団体・企業・教育機関などが連携し、スポーツをまちづくりに活かすための運営組織です。松戸でも、市内のクラブや大会主催者、商工会、観光協会、大学、医療機関などがつながる仕組みを作り、次のような取り組みを進めます。
- スポーツ団体、観光事業者、企業、教育機関、大学、行政が集まり、年1回の「スポーツまちづくり会議」を開催します。
- 市内スポーツ大会や合宿の誘致、健康づくりイベント、スポーツ×観光の連携施策(例:ランイベント+農産物マルシェ)を共創します。
- 「まつどスポーツブランド」戦略を策定し、スポーツを軸にした地域資源の再発見とPRを行います。
- 学校部活動の地域移行と連動し、地域クラブの育成・支援も進めます。
●他市事例
千葉県銚子市や三重県志摩市では、スポーツコミッションを通じてイベントを地域ぐるみで開催し、スポーツ×観光で交流人口の拡大に成功しています。自治体が「スポーツの力」を地域課題の解決に活かす先進例となっています。
9 リカレント教育(学び直し)の支援
●現状
働き方が変化し、副業・転職・再就職が身近になった今でも、松戸市では市民が「学び直し」を始めようとしても、何をどう学べばいいか、どこで学べるのか分かりにくいのが現状です。
●課題
若い世代だけでなく、子育てを終えた世代や定年後の方も、もう一度学びたいというニーズは高まっていますが、それを支える仕組みが地域に不足しています。特にICTや金融リテラシーなど、社会の変化に対応する学びは重要です。
プラン
- 松戸市でも「リカレント教育(学び直し)」を支援するため、市民向けに分かりやすい講座情報の発信を強化し、市内の公共施設を活用した夜間・休日の講座を開催します。また、大学や民間教育機関と連携し、ICT、子育て支援、地域活動など多様な分野の入門講座を提供し、誰もが気軽に一歩を踏み出せる環境を整えます。
●他市事例
埼玉県戸田市では「戸田市版リカレント教育」を掲げ、働く女性や子育て世代の学び直しを支援する講座や、大学との連携による講演会などを展開しています。学ぶ意欲を地域で応援する仕組みが整えられ、人生100年時代のまちづくりに貢献しています。
10 課題解決に向けた「松戸版データ利活用プログラム」の創設
民間をサポートできる「松戸版データ利活用プログラム」の立ち上げます
●現状
松戸には農業、防災、交通、子育てなど、暮らしの中にたくさんのまちの力があります。しかし、それをデジタルでつなぎ、もっと便利に、もっと快適にしていく仕組みは、まだ整っていません。
●課題
「もっと地元野菜が手に入りやすくなれば」「災害時の情報がもっと見やすければ」――そんな暮らしの中の気づきを、技術や仕組みで形にする機会が不足しています。市民と行政、企業がつながるチャレンジの場が求められています。
プラン
- 私は、東京都が展開している「東京データプラットフォーム(TDP)」のような取り組みを松戸にも取り入れます。これは、防災・観光・交通・エネルギー・農業などの社会課題に対し、民間企業やスタートアップが持つデジタル技術を活かして解決策を試す“実証実験のフィールド”をつくる事業です。 たとえば、「VEGESH TOKYO」はこの支援のもとで誕生したサービスで、東京産農産物の情報をアプリで可視化し、販路拡大と地産地消を両立しています。こうした民間発の革新的なサービスを、松戸の課題に照らして実現できるよう、「松戸版データ利活用プログラム」の立ち上げをめざします。
●他市事例
東京都では、「東京データプラットフォーム(TDP)」事業を通じて毎年多数のユースケースを採択し、防災アプリ、交通混雑分析、農産物流通改善など、多様な分野で新しいサービスが育っています。松戸でも、農業、子育て、高齢者支援、交通など、地域が抱える“リアルな困りごと”を、デジタルの力で一緒に解決できるまちをつくっていきます。